簡単設定で始める家族の絆:ビデオ通話ツールを活用したオンライン交流術
リモートワークが広がり、遠く離れて暮らす家族との時間が、以前よりもっと大切なものになったと感じる方は多いのではないでしょうか。顔を見て話す、一緒に笑い合う。そんな何気ない日常の瞬間が、離れているからこそ恋しくなります。
「デジタルツールは少し苦手だから、家族とオンラインで繋がるのは難しいのでは…」と感じているかもしれません。しかし、ご安心ください。現代のデジタルツールは、以前と比べてずっと使いやすく進化しています。大切なのは、ほんの少しの「試してみよう」という気持ちと、簡単な一歩を踏み出すことです。
この記事では、離れて暮らす家族が顔を見ながら心温まる交流を深めるための、シンプルなビデオ通話ツールの使い方と、具体的なアイデアをご紹介します。きっと、「これなら自分にもできそうだ」と感じていただけることでしょう。
デジタルツールで絆を深める「ビデオ通話」の魅力
ビデオ通話は、スマートフォンやパソコンの画面越しに、お互いの顔を見ながら会話できる便利な機能です。声だけでなく、表情やしぐさも伝わるため、まるで隣にいるかのように温かいコミュニケーションが生まれます。
ここでは、特に使いやすく、多くの人に利用されている代表的なビデオ通話ツールをいくつかご紹介しましょう。
1. LINEのビデオ通話:いつもの連絡アプリで手軽に
LINEは、普段からメッセージのやり取りに使っている方も多いのではないでしょうか。そのLINEアプリには、ビデオ通話機能が標準で搭載されており、非常に簡単に利用できます。
【LINEビデオ通話の始め方:スマートフォン版】
- 連絡を取りたい相手のトーク画面を開きます。 LINEアプリを開き、「トーク」の画面から、ビデオ通話をしたい家族の名前をタップしてください。
- 通話アイコンをタップします。 トーク画面の右上にある「受話器」の形をしたアイコンをタップしてください。
- 「ビデオ通話」を選びます。 ポップアップで「無料通話」と「ビデオ通話」が表示されますので、「ビデオ通話」をタップします。
- 相手を呼び出します。 これで相手にビデオ通話がかかります。相手が電話に出てくれると、お互いの顔を見ながらお話しできるようになります。
【ポイント】 * もし自分の顔が映らない、または相手の声が聞こえない場合は、画面の真ん中あたりを一度タップしてみてください。マイクやカメラのオン/オフを切り替えるアイコンが表示されることがあります。マイクは「マイクの形」、カメラは「カメラの形」のアイコンです。どちらも斜線が入っていない状態が「オン」です。 * グループでビデオ通話をしたい場合は、グループトークを開き、同様の手順で通話アイコンから「ビデオ通話」を選ぶだけです。
2. Zoom:高品質な通話で多人数にも対応
Zoomは、ビジネスシーンで使われるイメージがあるかもしれませんが、実は家族とのオンライン交流にも非常に便利です。特に、複数人で同時にビデオ通話をする際に、安定した接続と高品質な音声・映像で楽しむことができます。
【Zoomへの参加方法:招待された場合】
Zoomの場合、多くの方が「会議の主催者」としてではなく、「会議の参加者」として利用されるかと思います。家族が主催してくれたZoomに、あなたが参加する手順はとても簡単です。
- 家族から送られてきた招待リンクを探します。
LINEやメールなどで、家族から
https://zoom.us/j/
で始まるURLが書かれたメッセージが届きます。これがZoomへの招待リンクです。 - 招待リンクをタップします。 そのURLを指で軽くタップしてください。
- アプリを開くか、ダウンロードします。
- もしZoomアプリがスマートフォンやタブレットに入っていなければ、「Zoomをダウンロード」や「App Store(またはGoogle Play)からインストール」のような指示が表示されますので、画面の案内に従ってアプリをインストールしてください。
- すでにZoomアプリがインストール済みの場合は、自動的にZoomアプリが開き、会議に参加する準備が始まります。
- 名前を入力します。 「あなたの名前を入力してください」と表示されたら、ご自身の名前(例:おばあちゃん、おじいちゃんなど)を入力して「続行」または「OK」をタップします。
- マイクとカメラを許可します。 「Zoomがマイクにアクセスしようとしています」「Zoomがカメラにアクセスしようとしています」という表示が出たら、必ず「許可」をタップしてください。これであなたの声と顔が相手に伝わるようになります。
- 会議に参加します。 これでZoomの会議に参加できます。もしホスト(会議の主催者)がまだ会議を始めていない場合は、「ホストがこの会議を開始するまで待機してください」と表示されることがありますので、しばらくお待ちください。
【ポイント】 * ZoomもLINEと同様に、画面をタップするとマイクやカメラのオン/オフ切り替えボタンが表示されます。 * 背景を変える機能(バーチャル背景)など、楽しい機能もありますが、最初は気にせず、まずは繋がることを目標にしましょう。
家族とのオンライン交流を深める具体的なアイデア
ツールが使えるようになったら、次にどんなことをして家族と絆を深めるか、具体的なアイデアをいくつかご紹介します。
1. 定期的な「オンラインお茶会」や「食事会」
- 何をする? 週末の決まった時間に、家族みんなで同じ飲み物やデザートを用意して、画面越しに「乾杯!」して始まるお茶会はいかがでしょうか。晩ご飯の時間に、各自用意した食事を画面越しに見せ合いながら、今日あった出来事を話すのも楽しいものです。
- どうやって? LINEやZoomで、毎週または毎月など、無理のない頻度で日時を決めてみましょう。特に話題を決めなくても、近況報告や雑談を楽しむだけで、心が温まります。
2. 心温まる「オンライン孫育て」のヒント
- 何をする? 遠く離れていても、お孫さんの成長を近くで見守り、一緒に遊ぶことができます。
- 絵本の読み聞かせ: お気に入りの絵本を画面越しに読んであげましょう。お孫さんが持っている同じ絵本を、一緒に開いて読むのも一体感が生まれます。
- お絵かきセッション: 「お花を描いてみよう」「動物を描いてみよう」などテーマを決めて、各自で絵を描き、完成したら画面越しに見せ合いましょう。
- しりとりやなぞなぞ: 言葉遊びは、画面越しでも簡単に楽しめます。
- バーチャルツアー: 「今から庭のお花を見せてあげるね」「新しい飾り付けをしたお部屋を見せるわ」と、スマホやタブレットを持って家の中や庭を案内してあげるのも、お孫さんは喜んでくれるでしょう。
- どうやって? 定期的に「お孫さんと遊ぶ時間」を設けるのがおすすめです。短時間でも良いので、継続することが大切です。
3. 特別な日の「バーチャル帰省」
- 何をする? 誕生日、お正月、母の日・父の日など、家族が集まるはずだった日を、オンラインで「バーチャル帰省」としてお祝いしましょう。
- 一緒にご飯を食べる: それぞれの家で同じ料理を用意し、画面越しに「いただきます」をして、食卓を囲むように一緒に食事を楽しみます。
- プレゼントの開封: 郵送したプレゼントを、お互いがオンラインで開封する瞬間を共有するのも感動的です。
- 思い出を語り合う: 家族のアルバムを画面越しに見せ合いながら、昔の思い出話に花を咲かせるのも良いでしょう。
- どうやって? イベントの数日〜数週間前に、家族で相談して日時を決め、それぞれが何を準備するか決めておくとスムーズです。
オンライン交流を成功させるためのちょっとしたコツ
- 事前の準備を忘れずに:
- スマートフォンのバッテリーは満タンにしておきましょう。
- インターネットの接続(Wi-Fiなど)が安定しているか確認してください。
- 明るい場所で顔を見せて:
- 顔がはっきり見えるように、明るい場所でビデオ通話をしましょう。窓際など、自然光が入る場所がおすすめです。
- もし画面が暗いと感じたら、部屋の電気をつけたり、スタンドライトを顔に当たるように調整してみたりしてください。
- 背景への配慮:
- 画面に映る背景がごちゃごちゃしていないか、軽く確認しておきましょう。シンプルな壁などを背景にするのがおすすめです。
- 短い時間から始めて、続けることを大切に:
- 最初から長時間話そうと意気込む必要はありません。「まずは10分だけ話してみよう」という気持ちで、短い時間から始めてみてください。無理なく続けることが、絆を深める一番の秘訣です。
- わからないことは家族に頼りましょう:
- 「うまく繋がらない」「これで合ってるかな?」と不安に感じたら、遠慮なく家族に聞いてみてください。みんな、あなたがオンラインで繋がってくれることを心待ちにしていますから、きっと喜んで助けてくれるはずです。
まとめ
デジタルツールは、離れて暮らす家族との距離をぐっと縮め、温かい絆を再確認するための素晴らしい架け橋となります。最初は少し戸惑うことがあるかもしれませんが、ご紹介したように、決して難しいものではありません。
「試してみよう」というその一歩が、新しい家族のコミュニケーションの形を生み出し、離れていても心は常に繋がっているという安心感を育むことでしょう。ぜひ、この記事をきっかけに、大切な家族とのオンライン交流を楽しんでみてください。